2022年11月21日月曜日

古川日出男『天音』

◎単行本装画

小説家・古川日出男さん初めての詩作品『天音』(読み:てんおん)の装幀のために、古川さんと作品を作りました。共作は2019年5月22日の公開制作以来。

古川さんが聖ステファノ聖堂で撮影した写真——の丸窓にひかれた幕がつくる境界線——を同心円状に光を拡げるように、色面で包み込みました。書影では表紙の部分しか見えていませんが、裏にも、ソデにも、作品は続いています。手に取って見てもらえればと。
装幀は戸塚泰雄(nu)さん。
実際の作品を展示する機会や、イベントも予定しています。

作品については版元であるインスクリプトのリード文が素晴らしいので、引用します。
「ダンテがウェルギリウスにみちびかれたように、宮沢賢治と吉増剛造の詩魂にみちびかれて、作家にまったく新しい創造のフェーズが訪れた。必読の書き下ろし長篇詩。」

古川日出男・著『天音』
発売日:2022年11月22日(火)
出版社:インスクリプト(発行:Tombac)
企画・編集:管啓次郎
装幀:戸塚泰雄
カバー装画:近藤恵介(絵)+古川日出男(写真)

2022年11月11日金曜日

『ことばと vol.06』

◎雑誌装画・挿絵



文芸ムック『ことばと vol.06』発売中です。特集は「ことばと戦争」。
今回は、これまで『ことばと』のために制作した紙片をひっくり返してガレキとして扱いました。
ページ数はこれまでで最大のボリュームです。
デザイン・戸塚泰雄(nu)さん、装画/挿絵・近藤恵介です。


『なnD 9』

◎寄稿

年に一度発行されているリトルプレス『なnD 9』に「10月の台風、9月の台風」という短い文章を寄せています。作品を同時にいくつもつくることと、移動すること。

表紙は冨井大裕さん。柴原聡子さん(ロケチリ!)の原稿も素晴らしいです。


詳細はこちら↓

800円+税 文庫サイズ 96頁 2022年10月20日発売

https://nununununu.net/info/202209231175

2022年11月9日水曜日

個展「絵画の手と手」

 ◎展覧会情報(個展)

[個展のお知らせ]

10/28(金)より、代官山のLOKO Galleryにて個展「絵画の手と手」を開催します。
前回の個展が2020年で、それ以来のろのろと考えていたことが、ここ2、3ヶ月の間に一気に展覧会になったようなイメージです。

今回の展覧会の前提になっているのは2021年に書いた論文「卓上の絵画、線の振幅」で(pdfでダウンロードできます)、なので、かなり「日本画」が意識されています。展覧会のメインのイメージになっている作品は小林古径《瓶》(昭和29)の模写なのですが、古径や安田靫彦や前田青邨あたりが試みたことを別の方法で、あの手この手で展開できないかなと。そして、彼らの仕事をちゃんと引き継いでいる人は実はいないんじゃないかとも思っています。
ということで、会期中にはイベントとして勉強会「絵画に手をのばす、遅く話す」をします。石川卓磨さん(美術家・批評家)と佐藤美子さん(川崎市市民ミュージアム)とお話しします。

まだまだ設営中で制作中ですが、新しい絵画のあり方を見せることができるような気がしています。

詳細は以下に
↓↓↓
近藤恵介 個展「絵画の手と手」10月28日 [金] - 11月27日 [日]

◯ オープニングレセプション|10月28日(金) 17:30-19:30[予約不要]

◯ 近藤恵介 勉強会「絵画に手をのばす、遅く話す」|11月3日(木) 祝日 14:30-16:30[事前予約制]
近藤恵介 個展「絵画の手と手」に合わせ勉強会「絵画に手をのばす、遅く話す」を開催いたします。事前予約制となりますので、下記予約フォームよりお申し込みいただきご参加ください。

▼お申込はこちら

ゲスト | 石川卓磨(美術家・美術批評家)・佐藤美子(川崎市市民ミュージアム 学芸室長)
日時  | 11月3日(木) 祝日 14:30-16:30
会場  | LOKO GALLERY 地下1階 (東京都渋谷区鶯谷町12-6)
参加費 | 1,000円 (ドリンク+お菓子 付)

2022年11月7日月曜日

3号館絵画制作所

◎3号館絵画制作所

教員をしている佐賀大学の大学院日本画ゼミ(「3号館絵画制作所」と呼ぶことにしました)による初めての展覧会が開催中です。


3号館絵画制作所成果展「部屋が明るい」

会期|11月7日(月)〜11月18日(金) 12〜18時
場所|佐賀大学芸術地域デザイン学部2号館 2号館ギャラリー

3号館絵画制作所
泉まゆこ(M2)
梶原奈緒(M2)
松尾匠(M2)
中尾比乃(M1)
埜口さくら(M1)
村上晴香(M1)
近藤恵介(教員)
中村美和子(ゲスト)

2022年6月18日土曜日

『マインドフル・カップル』

 ◎単行本装画

ロビン・D・ウォルザー、ダラー・ウェストラップ・著『マインドフル・カップル』(金剛出版)の装幀周りにドローイングを提供しています。カバーを外すと、表紙の黄色とインクの薄いブルーの関係がきれいです。ブックデザインは戸塚泰雄(nu)さん。6/21発売。


2022年6月3日金曜日

「ことばの学校」フライヤー


◎アートワーク



昨年に引き続き、佐々木敦さんが主任講師を務める「ことばの学校」第二期基礎科(映画美学校の新しいコース)のフライヤーのために新作を提供しました。ひとときの絵画です。
デザインは戸塚泰雄さん(nu)。

詳細・参加方法はコチラ


2022年5月26日木曜日

『翻訳のスキャンダル』

 ◎単行本装画

『翻訳のスンダ──差異の倫理にむけて』(フィルムアート社)の装幀に2016年の作品《私とその状況(絵の旅)》を提供しています。装幀は戸塚泰雄(nu)さんです。

『翻訳のスンダ──差異の倫理にむけて』

  • ローレンス・ヴェヌティ=著|秋草俊一郎・柳田麻里 =訳

    • 出版社:フィルムアート社
  • 発売日:2022年05月26日
  • 本体:2,600+税
  • 詳細



『ことばと vol.05』

 ◎雑誌装幀・挿絵

文芸ムック『ことばと vol.05』発売中です。特集は「ことばとわたし」。
今回は佐賀大学の学生に手伝ってもらい(ありがとう!)、一時的な絵画を記録しました。中のページでは、表紙とは違う、別のコンポジションをいくつも。
制作中は「わたし」を「渡し」に読み替えたりしながら、作りました。
デザイン・戸塚泰雄(nu)さん、装画/挿絵・近藤恵介です。

2022年4月23日土曜日

『原稿集』

◎寄稿


批評家/アーティストの石川卓磨さんが主宰する「蜘蛛と箒」が発行している『原稿集』に、「引かれなかった線」という文章を寄せています。

毎号テーマが設定されていて、今回は「盆にかえらず」。
「盆」からの連想で、「絵画」の一回性(「⌘Z」は押せない)をテーマにして、ここしばらく考えている日本画の線(鉄線描)のあり方を考えてみました。小林古径はセザンヌの絵を説明するときに盆を比喩につかった。
エッセイでも、論文でもないような、だからといって小説とも違う、これまでとは違った書き方で。楽しかったな。

「古川日出男のむかしとミライ」ロゴマーク

◎ロゴマーク 

小説家・古川日出男さんのwebサイト「古川日出男のむかしとミライ」のために、雉鳩のロゴマークを作りました。「おかえりなさい」は古川さんの自筆です。
twitterにも使われています。鳥対決!

『体操させ、られ。してやられ』フライヤー

◎アートワーク


 
山縣太一さん作・演出・振付の演劇『体操させ、られ。してやられ』(オフィスマウンテン)のチラシに線描を提供しました。原作は「第二回ことばと新人賞」を受賞した同名の小説で、山縣さん自身による演劇化です。

線描は古典絵画からの引用で、それぞれの線がゆるやかに繋がって、途切れています。
デザインは戸塚泰雄さん(nu)。


2022年1月12日水曜日

『ことばと vol.04』

◎雑誌装幀・挿絵


文学ムック『ことばと vol.04』発売中です。

特集は「ことばとからだ」。なので、今回は「本のからだ」を扱いました。ゴロリとした本の物質感をほぐすような(バラバラにするような)装丁・挿絵です。
デザイン・戸塚泰雄さん、装画/挿絵・近藤恵介です。