2014年7月3日木曜日

12ヶ月のための絵画《7月》

 
6月28日(土)より「12ヶ月のための絵画」の《7月》の作品が展示されています。会場は恵比寿のMA2ギャラリーです。

今月の作品は、「12ヶ月のための絵画」のチラシの形を引用した折り本形式です。チラシのサイズの12×12cmを横に12ページ分繋いでいます。
制作時は上下にして描き進めたものを、最終的に左右に切り継ぐことで似た色と形が繰り返されます。12世紀につくられた絵巻物『吉備大臣入唐絵巻』にみられるような絵画のループ効果を試したく制作しました。次はより長いもの考えています。

作品と同時掲出のテキストは、「12ヶ月のための絵画」のチラシを制作いただいたデザイナーの戸塚泰雄さん(nu)です。
今回のチラシの種明かしのような、デザインコンセプトがクリアに示された内容になっています。
このチラシと共に1年歩んできた経緯を作品化しました。



「12ヶ月のための絵画」《7月》
展示期間:6月28日(土)- 7月27日(日)
会場:MA2 ギャラリー



12ヶ月のための絵画《6月》


「12ヶ月のための絵画」《6月》の展示ですが、ややイレギュラーな形になります。6月はMA2ギャラリーが開いていませんので、webでの発表 がメインとなります。
また、実物を近くからご覧になりたい場合は、MA2ギャラリーへお問い合わせください。


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今月の作品は、友人でもある写真家の川村麻純さんとの共作になります。「12ヶ月のための絵画」では初めての共同制作作品です。

二面対の「東京の家」は、ぼくの絵画と川村さんの写真からなります。
本作は速水御舟の同じく二面対の作品「京の家・奈良の家」(1927年)をソースにしています。共同制作を始める前より、速水御舟の作品に関して度々、二人が話題にしてきた経緯があります。建築写真も撮影する川村さんは以前から、日本画の画面構成と写真の合成を比較し関心を寄せていました。本作では、そのこ とに引き寄せて、二人の関心の結節点が顕著に現れている作品「京の家・奈良の家」について、画家からの視点、写真家からの視点で気になる事柄について話し 合いを重ねました。


作品と同時掲出のテキストは、柴原聡子さん(企画家、音楽家、広報(おもに建築と美術)/Rocket or Chiritori、東京国立近代美術館)に執筆いただきました。建築が専門の柴原さんのテキストは、直接的ではないけれど、作品と併せて読むことで何かを促進するような性質を備えています。そして、テキストのみでも成立しうる独立した内容にもなっています。本人が言うところの「変則的なキャプション」で す。