◎展覧会(グループ展)
教員をしている佐賀大学の大学美術館が開館10周年とのことで、記念展に出品しています。
芸術地域デザイン学部のアーティスト(教員)と、他学部の研究者が連携することで、展示を作りました。
ぼくは哲学者の後藤正英さんとペアになりました。
ハンドアウトのために短いテキストを書いたので、転載します。
それと、9/17(日)に予定していた後藤さんとのトークですが、諸事情から延期になりましたのでお間違いなく。10/9(月・祝)になると思います。
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展覧会をきっかけに始まった交流は、絵画と哲学を間に挟み、継続的に対話を重ねるものになった。そのため、飛沫を飛ばし合うような直接性はなく、近くて遠い距離がいつもあった。交わす言葉、LINEの白と緑の吹き出し、ペンの筆跡と絵具の筆触、メールに添付する写真やテキストを、いつも少し遠くに投げた。絵画や哲学は、コミュニケーションの道具として優れているわけではなく、どちらかといえば日常的な交流を切断し、新たな繋ぎ方を発明するようなやっかいなものだ。ぼくと後藤さんの交流の今後は、いま作りつつある作品の成否にかかっている。
最後に、後藤さんに倣って、ぼくも引用する。
展覧会の画はいつもぎりぎりにしか描けません。毎日六時頃に起きてこのアトリエ通いです。*1
*1小林古径「庭の一隅」『小林古徑 作品と素描Ⅰ』1983年、光村図書出版、211頁における『美之国』1932年9月号の引用。
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佐賀大学美術館開館10周年記念展
「響きあうアート —美の拡がり、美術の拡がり—」
会場:佐賀大学美術館
会期:2023年9月9日(土)-10月22日(日)
場所:佐賀大学美術館
時間:10:00-17:00(入館は16時30分まで)
休館日:月曜日 *祝日の場合翌火曜日休館
10周年記念展特設サイト
出品作家
柳健司(美術家)×橘基(物理学者)
土屋貴哉(美術家)×村久保雅孝(心理学者)
近藤恵介(画家)×後藤正英(哲学者)
阿部浩之(美術家)×藤村美穂(農村社会学者)
企画
花田伸一(キュレーター)
関連イベント
9月10日(日)「宇宙のはじまり、アートのはじまり」柳健司×橘基
9月17日(日) 近藤恵介×後藤正英 *10/9に延期
10月1日(日) 阿部浩之×藤村美穂
10月15日(日) 土屋貴哉×村久保雅孝
10月21日(土)「10年後の大学美術館に向けて」