2023年9月19日火曜日

佐賀大学美術館開館10周年記念展 「響きあうアート —美の拡がり、美術の拡がり—」

◎展覧会(グループ展)

教員をしている佐賀大学の大学美術館が開館10周年とのことで、記念展に出品しています。

芸術地域デザイン学部のアーティスト(教員)と、他学部の研究者が連携することで、展示を作りました。

ぼくは哲学者の後藤正英さんとペアになりました。

ハンドアウトのために短いテキストを書いたので、転載します。

それと、9/17(日)に予定していた後藤さんとのトークですが、諸事情から延期になりましたのでお間違いなく。10/9(月・祝)になると思います。



展覧会をきっかけに始まった交流は、絵画と哲学を間に挟み、継続的に対話を重ねるものになった。そのため、飛沫を飛ばし合うような直接性はなく、近くて遠い距離がいつもあった。交わす言葉、LINEの白と緑の吹き出し、ペンの筆跡と絵具の筆触、メールに添付する写真やテキストを、いつも少し遠くに投げた。絵画や哲学は、コミュニケーションの道具として優れているわけではなく、どちらかといえば日常的な交流を切断し、新たな繋ぎ方を発明するようなやっかいなものだ。ぼくと後藤さんの交流の今後は、いま作りつつある作品の成否にかかっている。

最後に、後藤さんに倣って、ぼくも引用する。

 

展覧会の画はいつもぎりぎりにしか描けません。毎日六時頃に起きてこのアトリエ通いです。*1

 

*1小林古径「庭の一隅」『小林古徑 作品と素描Ⅰ』1983年、光村図書出版、211頁における『美之国』1932年9月号の引用。



佐賀大学美術館開館10周年記念展

「響きあうアート —美の拡がり、美術の拡がり—」


会場:佐賀大学美術館

会期:2023年9月9日(土)-10月22日(日)

場所:佐賀大学美術館

時間:10:00-17:00(入館は16時30分まで)

休館日:月曜日 *祝日の場合翌火曜日休館


10周年記念展特設サイト


出品作家

柳健司(美術家)×橘基(物理学者)

土屋貴哉(美術家)×村久保雅孝(心理学者)

近藤恵介(画家)×後藤正英(哲学者)

阿部浩之(美術家)×藤村美穂(農村社会学者)


企画

花田伸一(キュレーター) 


関連イベント

9月10日(日)「宇宙のはじまり、アートのはじまり」柳健司×橘基

9月17日(日) 近藤恵介×後藤正英 *10/9に延期

10月1日(日) 阿部浩之×藤村美穂

10月15日(日) 土屋貴哉×村久保雅孝

1021日(土)「10年後の大学美術館に向けて」